I like what I like

アイドルが好きです。

ときめき担当、戸塚祥太〜ミュージカル 恋する♡ヴァンパイア〜

A.B.C-Zは現場のサイクルがわかりやすいグループだと思う。春〜夏は個人舞台、夏はコンサート、秋はABC座、冬は春夏に舞台に出なかったメンバーが個人舞台。もちろん例外もあるが概ねこのサイクルで一年が終わっていく。個人舞台は大抵が一年に一回。その年の自担の大きな仕事の一つと言える。

2018年の戸塚くんの個人舞台の発表があったのは、2017年11月13日。戸塚くんの31歳の誕生日のことだった。

 

『恋する♡ヴァンパイア』。これは、2015年公開の戸塚くんの映画初出演作品だ。私はこの作品については多くは語らないので、ウィキペディアでも見て欲しい。この年はバブルだった。なんと一年に二本出演映画の公開があり、地上波の帯ドラマに出た。今思い出してもすごい一年だった。なので、どうしても他の作品の影に隠れがちなのだ。別に嫌だとか嫌いだというわけではないし、恋ヴァ落ちの戸塚担だっているに違いないと思っている(いまだ出会ったことはない)。私の中では他の仕事に比べれば好きの度合いが劣後するというだけだ。まぁ、でも……特別好きではないかな(結局)

 

そんな「恋する♡ヴァンパイア」が三年の時を経て、ミュージカルになる。前回はヒロイン キイラがヴァンパイア、相手役の哲が人間という設定だったが、今回は逆転し、ヴァンパイア・ハイスクールに通う哲と人間のキイラのラブストーリーだ。

……ヴァンパイア・インターナショナル・ハイスクール?

ヴァンパイア・インターナショナル・ハイスクール?

これってhigh schoolですよね?つまりは、高等学校ですよね?ということは、こうこうせ……い? なんと、31歳の誕生日に高校生役を発表された。(ヴァンパイアなので本当に高校生なのかは怪しいと思っていたが、劇中で人間年齢では18歳と提示されたので間違いなく高校生だった。)

……大丈夫?(笑

これは一例だが、他にも色々懸念点があり、正直初日まで期待半分不安半分で過ごしていた。

 

迎えた初日。3月9日。天王洲 銀河劇場。銀劇遠いわ、勘弁してくれ。と思いながらも通うのがオタクです。

結論から言おう……良かった。

「期待できないな」とか思ったの誰だ?はい、私です。大変すみませんでした。

但し、『作品として』良かったわけでは……ない。(言い切ってすみません)

『戸塚くんリア恋として』良かった。

 

リア恋という言葉は多義に渡るし、使う人によって意味合いも違う。ここでは、「アイドルと自分の世界線が交わるとしたら付き合いたいと考えている人」と定義しよう。

戸塚担の全員が全員、戸塚くんリア恋なわけもなく、好きの形はそれぞれだと思うが、多かれ少なかれ戸塚くんに男としての魅力を感じている方も少なからずいるのではなかろうか。だって、アイドルなんだもん。(もちろん、そうでない人もたくさんいることは理解しているし、こういう考え方を不潔に感じる人もいるだろう。そこは宗教の違いということで大目に見てほしい。悪気はないから、石は投げないで)

さて、今作について。戸塚くん自身もインタビュー等で話していたが、この作品で届けるものは「胸キュン」だ。こうなったら色んなことを忘れて「胸キュン」だけを受け取ろう、と思った結果……よかった。まぁ、ストーリーとかそういうのはこの際置いておく。なんでやねーん!と思いながら見るのがこの舞台のいいところ。ストーリーは心の目で見よう。つっこんだら負け。

 

以下、私がよかったところをつらつらと。

まず、哲くん、かわいすぎ。

おっと、勢い余って文字がでかくなった。ここから先、私の中の迸るパトスが抑えきれなかった際には、このフォントサイズでお知らせします。ご承知おきください。

いや、哲くん、可愛いんだ。まず喋り方がかわいい。ぶりっ子か?ぶりっ子だ。なに、あの甘えたような喋り方。声が心なしか丸い。背中を丸めるのと同時に声も丸めてる。なに?パン屋意識なの?パン生地捏ねてるの?それとも、おっぱいクリーム売ってるから、おっぱいの丸さかな?(ていうか、戸塚くんにおっぱいクリームとか言わせたのすごいね。面白いからいいけど)要するに最高。哲くんの声、丸くてふわふわ。丸くてふわふわなものってかわいいよね。マシュマロとか、綿菓子とか、肉まんとか。(肉まんがかわいいかどうかは人それぞれだ)

動作もかわいい。ヴァンパイア ・ハイスクールの校歌を歌う哲くん、最高。抜き打ちテストでへろへろになってる哲くん、最高。今すぐ手を取って引っ張ってきて、「もう!しっかりして!」って怒鳴りつけたい。

なにが言いたいかって? 

小動物感!

迷いこんできた兎を保護して、「おいき」ってリリースするところとか、兎よりもかわいいです。うさぎも真っ青。恋ヴァの青うさぎになっちゃう(?)

あ、顔が可愛いのはいつものことなので、言わずもがなです。

 

そんな、鈍臭くてダサい哲くんですが、ギターを抱えれば素敵な歌声を披露してくれます。ギター×戸塚くんって最高。

私は、男性がギターを弾くのを見てるのが好きで、特にコードを押さえる手の動きが大好きなのだが、戸塚くんの手、最高かっこいい。大好き。細かい話をすると、Gのコードを押さえる手の形が最高に好きなんだ。しかも、戸塚くんは、人差し指中指薬指でなく、中指薬指小指で押さえている。一つ指が違うだけで天と地との差だ。いや、これ、最高ですか。どのコード押さえている戸塚くんも好きだが、Gを押さえてる時が一番手の美しさと大きさが感じられ、個人的には一等賞であります。(どうでもいい情報だが、好きなコード次点は、Bだ)

※Gのコードはこちらをご参照ください。

Gコードの押さえ方(指使い) | ギターのコツ

 

さて、作中では四回ギターを弾くシーンがある。

①ヴァンパイアの世界で自分のどんくささを噛み締めつつ歌う(哲のテーマソング)

②一回目に散々な印象を与えたものの諦めきれず再びキイラに会いに行って、コード進行に関するアドバイスをしたのち、弾いてみせてと言われて歌う(哲とキイラの恋歌)

③②の曲にキイラが歌詞をつけて、それを曲に乗せて歌う(哲とキイラの恋歌)

④エンディング(哲とキイラの恋歌 ロックver.)

どれもかっこいい。全部好きなんですが、③が最高。

ひなちま、今すぐそこ代わって!(ふたりが可愛い!)

おっと、本音と建て前が丸っ切り逆だ。

いやでも、ひなちまはかわいい。顔がかわいいし、表情の作り方もかわいいし、仕草もかわいい。ひなちまのことは名前と年齢と乃木坂の子ってことしか知らないが、この子絶対いい子。いい子じゃなきゃこんな可愛くない。私が戸塚くんだったら、たぶん好きになっちゃうな。ハッハッハ〜!!そのくらいかわいい。

哲くんが歌うところを見てるキイラは、自分が作った歌詞を歌ってもらうのがめちゃめちゃ恥ずかしいんだけど、好きすぎて哲くんから目が離せないという感じが溢れ出ている。歌詞を見ながらも、時々キイラの様子をうかがいながら歌う哲くん、最高。

てか、もうそれ、戸塚祥太だから。リア恋大爆発で大惨事だ。

もし、rico(私です)と戸塚くんが同じようなシチュエーションを演じるとしたら(?!)、私は歌詞書いたよ!とか言わずに朝机の上にコード進行と歌詞を書いた紙をぺっと置いて出ていく。帰宅したら、その紙を見てギター弾きながら歌ってる戸塚くんがいて、あぁっ!恥ずかしい!でも、嬉しい!みたいな感じにしたい。(それはもうヴァの話ではなくてみんな大好きリア恋妄想だから、一回落ち着いてほしい)

 

そして、やはりこれを外すわけにはいくまい。ベッドシーンです。

ベッドシーンではない、ベッドシーンです。

※このシーンは、ヴァンパイアの世界での闘いに勝利し、無事に人間界に戻った哲とキイラが晴れて結ばれる(言い方に昭和を感じる)シーンである。

いやぁ、なんでどの舞台誌もこの写真載せてくれないかな?だって、ここが見どころでしょうが。きちんとしなきゃ、お母さん、怒るよ!!

戸塚くんの体は美しい。顔もそうだけど、体も含めて造形が整っている。広い肩幅、厚みのある胸板、逞しくも繊細な首筋……。なんだこれ。官能小説でも書き始めるのかと思うじゃないか(笑)書きません。

そんな美しい体の中でも際立って美しいのは、その手だと思っている。大きくて綺麗な手が、女の子の小さな手を包み込む様は、どこか神聖だ。生物学的な性差をこんなに素晴らしいと感じたことは、いまだかつてなかったかもしれない。生命の神秘。ダーウィンもびっくり。同じ魂の入れ物なのにこの違いが生み出されているのなんでなんだろう。もし、神様がいるなら、なんでこんなふうに違いを作ったのだろう、ということまで考えてしまったり……しなかったり……(笑)

あと、やっぱりその対比はセクシーだよね。まぁ、とにかくキイラと哲くんのベッドのシーンは最高ということだ。

 

 

常々思っていることではあるが、戸塚祥太という存在が放つ引力はすごい。何がすごいって、どうしようもなく苦悩を背負わせたくなってしまうところだ。彼の容姿のせいなのか、彼の放つ雰囲気のせいなのか、はたまた、彼の内側に在る実際に背負っている苦悩のせいなのか。たぶん、全部だ。なぜか個人舞台では尽くそんな役を演じてきた。ある意味、彼のパーソナリティがそんな役を引き寄せていたのかもしれない。

私は『熱海殺人事件』を見れていない戸塚担新規だが、当時友人からそのストーリーは些細を聞き、その悲壮な役所に衝撃を受けた。『広島に原爆を落とす日』のディープ山崎なんて苦悩という言葉を体現するかのような役だった。『出発』や『寝盗られ宗介』は、わかりやすく苦悩が表出する役ではないものの、その内側に抱える苦悩は言い知れない。つか作品は、テーマや描き方が苦悩とは切り離せないものだが、そこから離れた『Defiled』でもまた苦悩を絵に描いたような青年を演じることとなる。大変な役が続いたが、戸塚くん自身もそういった苦悩に満ちた役柄を演じることにある種のやりがいを感じていたのではないかと私は推測している。

そんな苦悩に満ちた役を戸塚くんが演じるならば、必然的に、受け取る側も大変な苦悩を強いられる(と、私は感じている)。そういった作品に触れたあとは疲れるが、その分得るものも多い。だから、考えるという行為と切り離すことができない戸塚くんの個人舞台の仕事を、私個人的としては、とても好んでいた。

ところが、今年は全く違う。哲には哲なりの苦悩があるだろうが、それはこれまで戸塚くんが演じた役に比べると取るに足らないものだし、そもそも苦悩を抱えるようなキャラクター設定がされていない。戸塚くんは、個人舞台というフィールドにおいては、やっと苦悩という呪縛から解放されたともいえよう。

しかし、今回、苦悩とは別のものを戸塚くんは引き寄せている。それは「女のエゴ」だ。見た目はダサいけどかっこいい男の子に好かれ、その人を自分の好きなように変身させる。情けなかった男の子が自分を守るために強くなる。キイラがそういったエゴを持っていない(ように描かれている)キャラクターであるため、そこまで主張してこないが、映画から続く「恋する♡ヴァンパイア」の根底にはそういう「女のエゴ」が存在しているように思う。私が映画そして今作に感じる「気持ちの悪さ」の原因は、やっぱりそれで、それ故にああ嫌だなぁと思いながらも見ることをやめられないのだと思う。こわい。

しかし、男性アイドルというのは、主張は様々であるが「女のエゴ」に生かされている側面もある。アイドルというのは往々にして『こうしてほしい』『こうされたい』という疑似恋愛の対象となるものではなかろうか。だから、それを否定するつもりは一ミリもないし、リア恋妄想とかして遊んでいる私には否定する資格もない。

 

突然だが、私はアイドルが好きだ。あっ、知ってるって?まぁ、もうちょっと話聞いてよ。

アイドルを好きな理由としては、大きく二つ、だと思っている。

一つ目の理由は、表現者として面白いから。アイドルの仕事は幅広い。歌もダンスもお芝居もトークもバラエティも、昨今ではキャスターやパーソナリティをやる人もいれば作家になる人もいる。要するになんでもできる。なんでもやらなきゃいけない。つまり、表現者としての色んな一面を見ることができるんだ。そこが、とても面白い。

もう一つの理由は、アイドルという存在自体が面白いから。彼らは、まさしく偶像(アイドル)で憧憬や崇拝の対象なのだ。憧憬と恋情は時に隣り合わせで、どちらかがどちらかを引き寄せることも多い。だから、幼い頃、アイドルに恋をする女の子も多いのだろう。とても興味深いし、それ故にとても惹かれる。

 

戸塚くんのこれまでの個人舞台は、演じる役柄や作品の性質としてアイドル戸塚祥太表現者としての側面が強調されていた。しかし、今年、舞台の上に立っているのは、表現者ではあるがアイドルの戸塚祥太だと考えている。アイドルの戸塚祥太が今作で背負ったものは、観客が役柄に彼を重ねたり、キイラに自分を重ねたりすることで得られる『胸キュン』や『ときめき』を与えるという役割だろう。

奇しくも、「ジョーダンバットが鳴っている」書籍化にあたり、これまで戸塚くんが載ったダ・ヴィンチを読み返していた私は、伊坂幸太郎氏が戸塚くんを評した「ときめき担当」という言葉に行き当たった。良くも悪くも戸塚くんは「アイドルの正統派」なのではないだろうか。それは、彼が戸塚祥太として生まれた瞬間から背負ってしまった業なのかもしれない。

戸塚くんのパーソナリティの引力よりも大衆から与えられた役割が勝った結果がこの作品だと、私は思っている。そして、戸塚くんは自身に与えられた役割を十分に全うしたとも。だから、これまであまり見れなかったものだし、これはこれでアリで、アイドルの戸塚祥太の仕事歴としては興味深いもの、というのが私のミュージカル「恋する♡ヴァンパイア」に関する総評だ。

 

ただ、ひとつだけ言いたい。こういうのはあくまで箸休めで気軽なものであってほしい。ライトな層に訴えかける娯楽であってほしい。舞台でもまぁ……与えられるなら消費するしかないけど、できることならもっと手軽な媒体で見たい。正直、舞台の仕事としてこれが続ければキツい。

一年に一度の個人舞台として、こういうのが続くとつらいなぁ……。そんなことを記事に書く日がこないことを願いつつ、今回は筆を置くこととしたい。贅沢かもしれないが、マジで頼みます。

 

 

(自分のための追記)

本人より言及のあった声帯結節についてはとても思い悩んだものの、私が心配しても仕方ないので、もう気にしないことにした。今回、ミュージカルということで歌に関して色々期待も寄せていたのだが、それは喉の心配がなくなってから再チャレンジしてほしい。もちろん、今作に出演したことで発声も随分変わったので、今後に続いていくものと考えている。